より広範なハードウェアセキュリティの世界にチャレンジしていきます
ICシステムセキュリティ協会(IC System Security - Round Table、略称:ICSS-RT)は2009年3月18日に設立されました。協会は当初、ICカードのセキュリティ技術を中心として、交通系、金融系などのICシステムのセキュリティ保証を、アプリケーションシステムのユーザー、カードや半導体チップのメーカー、セキュリティ評価機関、セキュリティ認証機関、研究機関など様々の立場の異なるプレーヤーが、協議し合う場として、設立されました。
その中で、協会内部に設けられたCC評価認証部会(IC System Security Japan Consortium、略称:ICSS-JC)は、ISO/IEC 15408を用いたセキュリティ評価認証をICカードや半導体チップに適用するための我が国内の中心的存在として、設立以来約100回の通常部会や多くのSWGを重ね、この分野のセキュリティ保証技術をリードし、海外のカウンターパートとも交流を重ねてきました。
最近では、「ICシステム」の概念は、ICカードのアプリケーションの分野から、いわゆる組込機器に実装される半導体チップと、そのチップが提供するより広範なアプリケーションの世界へと広がりを見せ始めています。自動走行、ロボット、産業用制御機器、医療機器、各種のセンサシステムなどが、新しいアプリケーション分野として登場しつつあります。とくにIoT(Internet of Things)やAIの普及により、一方でエッジ分野の軽量簡便なデバイスにも最低限のセキュリティ実装を求められるようになると同時に、他方で上位側のサーバー等の分野では、耐量子暗号などより強力な暗号技術を用いたセキュリティ対策が求められるようになっています。
私たちは、このような時代の変化を理解し、これまで培ってきたICカードのセキュリティ技術を基礎としながら、より広範なハードウェアセキュリティの世界にチャレンジし、社会全体の安心・安全に寄与していきたいと考えております。ICシステムのセキュリティを語り合う新しい仲間との出会いに期待しています。
ICシステムセキュリティ協会
代表理事 植村 泰佳